
競艇(ボートレース)は6艇で行われるスピード勝負ですが、実は「選手の技量」と同じくらい重要なのが モーター性能 です。
モーターはレース用のボートに搭載される小型エンジンのこと。各ボートレース場が所有・管理しており、選手が持ち込むことはできません。
つまり、競艇では「どのモーターを引き当てるか」が大きく勝敗に影響します。
ファンの予想でも「モーター評価」が非常に重視されるのはそのためです。
目次
1. 競艇モーターの基本構造と仕組み
モーターは、正式には ヤマト331型モーター と呼ばれる2ストロークエンジンを使用しています。
全国24か所すべてのボートレース場で統一されており、以下の特徴があります。
排気量:396cc
最大出力:36馬力前後
最高速度:約80km/h
モーターの動力が プロペラ に伝わり、水を押し出してボートを進める仕組みです。
したがって、モーターとプロペラは一体の存在ともいえます。
2. モーターの抽選方法(モーター抽選・割り当て)
モーターは選手が自由に選べるわけではありません。
開催ごとに「モーター抽選」が行われ、レーサーにランダムで割り当てられます。
モーター抽選の流れ
開催初日に抽選会を実施
選手がくじを引いてモーターが決まる
開催期間中はそのモーターを使用
つまり「どのモーターを引くか」は完全に運次第。
強力なモーターを引き当てれば有利に戦えますが、弱いモーターでは苦戦を強いられることになります。
3. 出走表のモーター番号とは?
出走表を見ると、選手名の横に「モーター番号(例:32号機)」が記載されています。
これは「その選手が今回使用するモーターが、ボートレース場に登録されている何号機なのか」を示す番号です。
ファンにとっては、この「モーター番号」が予想の大きな材料になります。
なぜなら、モーターには個体差があり、 同じ機種でもパワーに差が出る からです。
例えば「伸び足が良いモーター」「出足が鋭いモーター」「ターン回りが軽快なモーター」など、モーターごとに得意不得意があります。

4. モーター評価の基準
予想においては「モーターの素性(モーター評価)」が重要な要素となります。
評価のポイントは以下の通りです。
2連対率:そのモーターを使用した選手が2着以内に入った確率
3連対率:そのモーターを使用した選手が3着以内に入った確率
直近成績:直近の出走でどのような結果を残しているか
整備状況:選手が整備を加えた後、パフォーマンスが向上しているか
これらの数値を見れば、そのモーターが「当たり」か「外れ」かをある程度判断できます。
5. モーターとプロペラの関係
モーター性能を最大限に引き出すには、プロペラの調整 が欠かせません。
競艇では「プロペラ調整」が選手の腕の見せ所であり、同じモーターでもプロペラ次第で大きく走りが変わります。
出足重視:スタート後の加速が良い
伸び足重視:直線のスピードが速い
回り足重視:ターンがスムーズ
モーターとプロペラの相性、さらに選手の整備力によって、レースでの走りは大きく変化します。
6. モーター整備の重要性
モーターは使い続けることで摩耗や劣化が進みます。そのため、選手は「整備力」を駆使してモーターの調子を引き出します。
整備には以下の種類があります。
キャブレター整備:燃料供給の調整
ピストン交換:出力低下を防ぐための主要部品交換
シリンダー調整:エンジン全体のバランス調整
ギヤケース整備:駆動系の摩耗対策
整備が上手い選手ほど、モーター性能を底上げできるため「整備巧者」と呼ばれます。
7. モーターの更新時期(新モーター・旧モーター)
モーターは各ボートレース場で 年に一度、新品に入れ替えられます。
この時期は「新モーター」と呼ばれ、まだ実績が少ないためモーター評価が難しく、予想が難解になります。
一方で、半年以上経つとモーターごとの特性がはっきりし、「出足型」「伸び型」などの評価が定まっていきます。
8. 舟券予想への活かし方
モーターを理解することは、舟券予想に直結します。
モーター2連対率が高い選手は信頼度アップ
整備巧者が弱いモーターを立て直すケースもある
新モーター導入直後は波乱が多く、穴狙いが有効
好モーターを引き当てた新人が一発を決める可能性もある
このように、モーターの知識を取り入れることで「展開を読む力」が格段に向上します。
まとめ
競艇におけるモーターは、勝敗を大きく左右する重要なファクターです。
モーターはボートレース場管理の共通エンジン
抽選で選手に割り当てられるため運要素が大きい
号機ごとに性能差があり、2連対率や直近成績で判断できる
整備力やプロペラ調整によっても走りが変化する
モーターを理解することで、単なる選手の実力だけでなく、その日の「相棒」まで含めて予想できるようになる のです。
今後レースを観戦する際は、ぜひ「モーター番号」と「直近のモーター評価」に注目してみてください。舟券予想の幅が大きく広がるでしょう。