
競艇(ボートレース)には「選手の実力を数値化し、階級に分ける制度」が存在します。
これを 級別制度 と呼び、すべてのレーサーは半年ごとに成績に応じて「A1・A2・B1・B2」に振り分けられます。
級別は選手の実力を示すだけでなく、出場できるレースや獲得できる賞金にも直結する非常に重要な指標 です。
つまり「級別制度を理解すること=選手の実力を見極め、舟券予想に活かすカギ」と言えます。
目次
1. 競艇の級別区分(A1・A2・B1・B2)
競艇選手は以下の4つのランクに分かれています。
A1級:トップレーサー。全国の上位20%ほど。SGやG1に出場できる。
A2級:中堅上位クラス。全国の上位約20~40%。G1出場も可能。
B1級:新人~中堅。一般戦を中心に出場。
B2級:新人レーサーや成績不振の選手。スタートラインともいえる級別。
この4段階の級別が、半年ごとに更新されます。
2. 級別の決まり方(勝率計算の仕組み)
級別は 「勝率」を基準 にして決定されます。
勝率の計算方法
勝率は以下の式で算出されます。
勝率=(得点の合計)÷(出走回数)勝率 = (得点の合計) ÷ (出走回数)
得点は着順によって決まり、下記のように割り振られます。
1着:10点
2着:8点
3着:6点
4着:4点
5着:2点
6着:1点
これをすべての出走で加算し、出走回数で割った数値が「勝率」となります。
適用期間
前期(5月~10月) の成績 → 翌年1月から適用
後期(11月~翌年4月) の成績 → 翌年7月から適用
半年ごとにリセットされるため、調子の良し悪しで昇格・降格が頻繁に起こります。
3. 各級別への昇格・降格条件
では具体的に、どのような勝率を残せば昇格できるのでしょうか?
A1級
勝率 6.20以上
出走回数 70走以上
全国の上位約20%
A1級になると SG・G1の斡旋対象 となり、賞金ランキングにも直結します。
A2級
勝率 5.60以上6.20未満
出走回数 70走以上
全国の上位約20~40%
A2級は「準エリート」。G1の一部や記念レースにも出場可能です。
B1級
勝率 2.00以上5.60未満
出走回数 50走以上
新人レーサーはまずB1を目指します。一般戦中心ですが、実績を積めば上位級へ昇格できます。
B2級
勝率 2.00未満 または出走回数不足
主にデビュー直後の新人や、長期欠場明けの選手が所属
「リハビリ級」とも言える位置づけで、成績が安定すればすぐにB1へ昇格できます。
4. 級別による出場レースの違い
級別は出場できるレースにも大きく影響します。
A1級:SG・G1・G2・一般戦すべてに出場可能
A2級:G1・G2・一般戦に出場可能(SGは不可)
B1級:原則として一般戦のみ
B2級:一般戦の一部に限定的に出場
つまり SGやG1に出場するには、A1級であることが必須条件。
そのため、選手にとってA1級維持は最大の目標となります。
5. 級別と賞金ランキングの関係
競艇選手は獲得賞金によっても評価されますが、賞金ランキング上位に入るためには A1級でSG・G1に出場することが不可欠 です。
例えば、SG優勝で手にする賞金は数千万円規模。
B1やB2ではこの舞台に立つことができないため、賞金王決定戦(グランプリ)を目指すには、まずA1級を維持する必要があります。
6. 昇格・降格に関わるポイント
昇格や降格には、勝率以外にもいくつかの要素が影響します。
出走回数:規定数に満たなければ、勝率が高くても昇格できない
事故率:転覆やフライングが多いと減点対象になり降格の可能性あり
期別の調子:半年単位で決まるため、一時的な不調で降格するケースも
7. 舟券予想への活かし方
級別は予想にも直結します。
A1級選手が一般戦に出場する場合 → 実力差で上位に絡む可能性大
B1やB2の選手が混じるレース → 実力差が大きく、展開の波乱要素になる
A2級選手は安定感があるが、一発の強さはA1に劣る
このように級別を把握することで、予想の精度を高めることができます。
まとめ
競艇選手の級別は、
A1・A2・B1・B2の4段階
半年ごとに勝率と出走回数で決定
出場できるレースや賞金に直結する重要な指標
という仕組みになっています。
ファンにとっても級別を理解することで、選手の力量を見抜きやすくなり、舟券予想にも役立つ でしょう。
今後レースを観戦する際は、ぜひ「この選手はどの級別か?」をチェックしてみてください。