
競艇(ボートレース)では、選手が乗る船体を 「ボート」 と呼びます。
競走用のボートは、一般的なモーターボートとは違い、スピードと旋回性能に特化した特殊な構造を持っています。
実はボートは 全国24か所のボートレース場で同じ規格 が採用されており、選手が持ち込むことはできません。
つまり「どのボートを引き当てるか」がレース結果に大きく影響するのです。
目次
1. ボートの基本構造
競艇のボートは「ヤマト製作所」が製造する統一規格のものを使用します。
そのため、基本的な性能は全選手・全会場で同じ条件となっています。
ボートの主要な構成要素は以下の通りです。
船体(艇):FRP(強化プラスチック)製で軽量化されている
モーター:396cc、36馬力のヤマト331型エンジン
プロペラ:水をかいて推進力を生み出すパーツ
ハンドル:方向転換を行う操縦装置
エンジンカバー:モーターを保護し水しぶきから守る
特に競艇のボートは 軽量・小型・旋回性能重視 で作られており、最大80km/hのスピードでターンマークを旋回できるよう設計されています。
2. 競艇ボートのサイズと重量
競艇ボートはすべて統一規格で、以下のサイズに決められています。
全長:2.9メートル
全幅:1.35メートル
重量:約50kg(船体のみ)
モーターやプロペラを含めると、総重量は約150kgほどになります。
これを60kg前後の選手が操縦するため、細かな体重差や重心のかけ方が走りに影響します。
3. ボートの抽選方法(船体抽選)
競艇では、モーターだけでなく ボートも抽選で割り当てられます。
抽選は開催初日に行われ、選手は「モーター番号」と「ボート番号」が決まった状態でレースに臨みます。
ボート抽選のポイント
ボートも個体差があるため「伸び型」「回り足型」など特性が出る
船体の経年劣化や修理歴によってパフォーマンスに差が出る
「好ボート」と呼ばれる当たり艇は選手の勝率を押し上げる
ファンが出走表で確認できる「ボート番号」も予想材料の一つとなります。
4. ボートの個体差と性能
同じ規格で作られていても、ボートには微妙な個体差があります。
これは使用頻度や修理履歴、メンテナンス状況によって変わるものです。
例えば…
直線でスピードが伸びやすい艇
ターンがスムーズに決まる艇
波に強い艇、逆に弱い艇
こうした特徴は過去のレース結果を見ればある程度わかります。
そのため「ボート勝率」や「ボート連対率」も、舟券予想で注目されるデータです。
5. ボートとプロペラの関係
ボート性能を左右するのは、モーターだけでなく プロペラとの相性 です。
プロペラを「伸び型」に調整すれば、直線スピードが活かせる
「回り足型」にすれば、ターン性能を強化できる
つまり、同じボートでも プロペラセッティング次第で全く違う走りになる のです。
選手の整備力やプロペラ調整の巧拙も、ボートの性能を引き出す上で欠かせません。
6. ボート整備の重要性
ボートはレースごとに酷使されるため、定期的な整備が必要です。
整備内容の例:
船底の削り直し(走行抵抗を減らす)
船体の補修(傷やひび割れの修理)
ハンドル系統の調整(旋回性能の安定化)
特に「船底調整」はレース結果に直結する整備で、僅かな摩耗や傷でもスピードや旋回性能に影響を与えます。
7. 新ボートと旧ボート
各ボートレース場では、一定の周期で 新ボートの入れ替え を行います。
導入直後は「新ボートシリーズ」と呼ばれることもあり、まだ使用データが少ないため予想が難しくなります。
一方で、使用期間が長くなると「当たり艇」「外れ艇」がはっきりしてきます。
予想においては「そのボートがどの程度走っているか」という蓄積データが非常に重要です。
8. ボート予想への活かし方
舟券を買う際には、選手の実力だけでなく「ボート評価」を確認することが欠かせません。
予想ポイントの例:
ボート連対率が高い艇は信頼度が高い
弱いモーターでも好ボートなら補えるケースがある
水面特徴(波立ちやすい・淡水など)によって好走艇が変わる
整備巧者の選手が外れボートを立て直す場合もある
このように、ボート情報を取り入れることで 展開予想の精度が格段に上がります。
まとめ
競艇のボートは、統一規格で作られているとはいえ「個体差」「整備」「選手の技術」によって大きな違いが生まれます。
ボートは抽選で割り当てられるため運要素も大きい
ボート番号やボート勝率は予想の重要データ
プロペラや整備との相性で走りは大きく変わる
新ボート導入時期は波乱含みで予想難解
つまり、舟券予想では「選手 × モーター × ボート」の三要素を総合的に判断することが求められます。
競艇をより深く楽しむためにも、ぜひボートの特徴に注目してみてください。きっと今まで以上にレース観戦が面白くなるはずです。